保湿

肌の保湿の重要性を科学的に明かしていこう  パート3

カギカッコ内は論文内容を引用したところです。

右矢印は私の解釈です。

参照

ヒアルロン酸みたいな低分子の有機酸塩のほうがいいのか

それとも高分子のほうが保湿剤には良いのか?

そんな話から始めます。

図の解釈をしていきましょう。

「第11図はPVA(ポリビニルアルコール),第12図はヒアルロン酸のデータであるが,いずれも水に近いパターンを示し、角質柔軟の速効性を何ら阻害していないが, 経時の柔軟性持続作用には乏しく,やがて処理(塗 布) 前以前 より硬化の状態をもたらすことが,このIn Vitro のデータは示しているが,

これは,高分子固有のドライアップに伴う皮膜形成の影響となって表れるのであろう。InVivoでは皮膜形成による水分揮散阻止効果に連がる可能性を持っているが,この膜単独では,可塑性に乏しく,塗布後は皮膜感(つっぱった感覚)を感じ,被検者は,それを柔軟効果ととらないことをこのInVitroのデータは示している。

第11図 に示すようにPVAは,ポリオール類(グリセリン)の添加によって明らかに柔軟効果を呈するようになっているし更に注目すべきことは,

第12図のヒアルロン酸の場合には,わずかな(5%)ポリオール(グリセリン)の添加によって,ヒアルロン酸そのものの柔軟効果に重大な変化をもたらすばかりか,保湿力の高いと考えられている繁用されているグリセリン等のポリオール類そのものの持つ柔軟効果を遙かに上回る柔軟効果とその持続性をもたらすという相乗効果(シナジー効果)があるということである

これは,高分子系保湿剤に対する可塑剤として働くポリオール類の効用ともいえようが,その相乗(シナジー)効果は大変著しいものといえる。これも生体のもつ恒常性維持メカニズムから学ぶ知恵の一つといえる。即ちこれらは,保湿製剤の方向を示すのに十分といえるのである。

さて今迄,著者は最も手軽に用いられしかも,誤差が少ないものとして,剥離角質層を用いた保湿剤や保湿製剤の力学的影響を調べて来たが,最終的には,これらの結果得られた最も理想的と考えられる製剤についてIn Vivoでの確認が必要となる。」

⇒下線部のようにヒアルロン酸にグリセリンを5w%混ぜたものは、保湿性も柔軟性も持続するという結果に。

ただまだ試験管内の実験結果なので、このあと生体での実験結果にうつっていきます。

In Vivoでの効果の実証  

*In Vivoというのは生体という意味

ドライスキンについての状態やそれらからの改善状態の指標となるものは,第13図 に示した通り,皮膚表面形態,(レプリカ法-後述),TWL,角質水分量(コンダクタンス),アミノ酸代謝(PCA=ピロリドンカルボン酸塩~の変換率),不全角化状態(角質細胞中の核の残存状態:SSB=SkinSurfaceBiopsyによる確認等で知る)等である。 

供試試料:In Vitroの実験に用いた油性成分としてスクワランを主とした炭化水素系化合物,保湿剤として, ヒアルロン酸等の高分子系保湿剤に,化粧品等に通常繁用されるグリセリン,1,3ブチレングリコール・ジプロピレングリコール等のポリオール系保湿剤を配合し, In Vitroの実験系で述べたような原理に基づいて適正なバランスをとったO/W型鹸化 ・ノニオン併用系クリーム製剤を1群の被験者パネル(25才~35才 男性)の頬 に2月の厳冬期2週間塗布させた。一方II群のパネル(25才~35才男性)の頬には,保湿剤の欠損したバランスの適正でない0/W型同型乳化系クリームをI群同様2週間塗布して比較した。

 男性被験者を用いたのは,過去の履歴を可及的に除去しておく為であり,女性被験者についても,同様の結果が出ることは他の実験でも証明している。

⇒詳しい実験方法はここでは省略します。

図を見て保湿剤の効果を見てみます。

・表面形態から見たI群の皮膚改善効果 

「第14図はI群の皮膚表面形態の改善状態を示しており,

 I群 に使用した保湿製剤の効用が明らかである。

・TWL及び角質水分量(インピ-ダンス)

第16図に示すようにI群の塗布部のTWLは明らかな低下を示して居り効果が裏付けられるのに対し,II群の方は無塗布部位との差が検出されない。また角質層水分量にあっては,II群に比し,I群は有意差を以て水分量の増大を見る。 

*TWL(Transepidermal Water Loss) 測定 はEvaporimeterEp-114)にて行なった。 プローブを頬部に装着し,約1分後値が一定となったところを測定値とする。

・不全角化の状態(SSB)及びアミノ酸代謝について第17図は,使用後2週間のI群の使用効果を示すSSBの結果であり,第18図 は2週間後の使用効果をII 群と比較して示している。 また,グルタミン酸からPCAの変換率も,I群では群に比較して有意の差を以て高くその効用は明らかといえる。

考察及び結論

「皮膚保湿 に於ける保湿剤の役割を中心に述べて来たが,理想の皮膚保湿製剤には水素結合を破壊して,

角質層の柔軟化の機能とその速効性の主役 を演ずる水の存在は不可欠であるが,乾燥後の水素結合再形成による硬化という点では多分 に両刃の剣的存在 といえる。

この欠点を カバ ーし,し かも水のす ぐれた機能を真に生かす のが,保 湿剤の役割でもある。

油性成分の主たる役割は,特 にInVivoでは,その閉塞性 と保留性であり, 保湿剤同様 そのものには角質層の柔軟効果はない。

In Vivoにあっては,その水分保留という間接的プロセスを経て柔軟に連がる。

 直接的に角質層を柔軟にする水に,水分保留の機能を高め,乾燥後の硬化の防御と抑制の役割を演ずる保湿剤,更に水や保湿剤そのものの保留の役割を演 じて柔軟効果の持続に寄与する油性成分の存在は皮膚保湿にとって不可欠であるし,またその適正なバ ランスが極めて重要である。

また,特に強調したいのは,その中での保湿剤の役割であり,この存在なくしては理想的な皮膚保湿製剤は成立し難い。

このことは,著 者らのIn Vitro,In Vivoの実験で証明されている。

保湿剤にもNMF成分中のピロリドンカルボン酸や乳酸など及びその塩のような比較的低分子のものから,ポリオール系のもの,更にはムコ多糖類に至る迄,極めてすぐれた保湿剤が開発され,独自の機能を発揮しているが,単独で理想的なものはない。

それぞれの機能を巧みに利用した組み合せが極めて重要である。

このように記述して来ると生体の「乾燥」に対する防御機構はかなりよく出来ているように思う。

即ち,角質層中の水~皮脂~NMFの共同作業,更にはNMFの 構 成は今迄著者が述べて来た理論の原点 にあると考える。

すぐれた保湿剤として注目を浴びているピロリドンカルボン酸,乳酸及びその塩,

そして最近のヒアルロン酸の開発などは全て皮 膚保湿機構を深く見つめた成 果であった。

著者が最後に強調したい点は,皮膚保湿の恒常性維持へのこれらの結果得られた保湿製剤の深い関 りである。

著者らのIn Vivoでの実験結果では,これらの製剤の投与の結果として,TWL低下やインピーダンスの増加といった唯単なる物理化学的な変化にとどまらず,不全皮膚・角化の改善や表皮アミノ酸代謝の改善等の生物化学的変化を認めている点である。

このことは,これらの製剤の投与によって ドライスキンへの「悪循環」かの脱却、つまり「良循環」への転換を示唆するに十分な結果と見るべきであ り,このものの皮膚保湿の恒常性維持への役割を果したものと評価してよいと考え るのである。

今後,更に皮膚保湿のメカニズムの原点を深く追求することによって,新 しい保湿剤,保湿製剤が開発されるものと考える.

→論文を読んでみて、まとめるのは難しいなと思ってしまいましたw

「保湿剤にもNMF成分中のピロリドンカルボン酸や乳酸など及びその塩のような比較的低分子のものから,ポリオール系のもの,更にはムコ多糖類に至る迄,極めてすぐれた保湿剤が開発され,独自の機能を発揮しているが,単独で理想的なものはない。」

こちらのようにNMFと同じ成分を保湿剤として使うのは有効そうですね。

水分で皮膚を柔らかくして、保湿成分で肌の柔軟性を維持するというのが保湿剤の役割のようです。

保湿剤の中で水分の保持力を考えたときに何を使うべきなのか

代表的な保湿成分をみていきます。

  • セラミド

細胞間脂質の40%を占めている物質です。

湿度が下がっても水分をキープできる最強の保湿成分

  • スフィンゴ脂質

セラミド以外の細胞間脂質に分類されます。

保湿力はセラミドよりも弱い

  • ステアリン酸コレステロール

セラミド以外の細胞間脂質に分類されます。

保湿力はセラミドよりも弱い

  • ヒアルロン酸

真皮にあるゼリー状の物質。

200~600倍の水分を蓄える力があり、敏感肌の人にもオススメです。

  • エアラスチン

これも真皮にある物質です。

保湿力が強いため、化粧品に配合されることもあります。

  • 天然保湿因子

保湿力は強くないが、サラッとした使用感が好きな人にはオススメです。

  • PG

吸収性に優れるが、保湿力はあまり良くないのが特徴です。

水分の保持力が高いものを挙げてみました。

ただ私はワセリンを使っています。

ワセリンに関する情報も軽く紹介させていただきます

アトピー性皮膚炎

発症4週間前からワセリンを1日おきに塗布した結果、塗布から2カ月以上にわたって発症を予防できること、ならびにワセリンを塗った皮膚ではバリア機能が改善しているだけでなく、アトピー性皮膚炎発症前の真皮に炎症細胞が集まることを防いでいることも確認したという。

理研では、ヒトにおいてもJAK1の活性化がアトピー性皮膚炎と関連しているのかどうかを調べる目的で、患者の皮膚におけるJAK1活性化を調査。その結果、6人の患者のうち4人の患者の表皮細胞でJAK1活性化が起こっていることが確認されたとする。

このように保湿力のないアトピーの肌に対してもワセリンは効果をはっきしているので、私はワセリンをしようしています。

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nisikori
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