腸内細菌

肌を綺麗にしたいなら味方につけるのは腸内細菌 パート2

続きです

目次

・ヒトの腸内細菌叢は毎日食べる食事の内容によって日単位で変動する

・食品乳化剤が腸の粘膜を破壊し腸の炎症やメタボリックシンドロームを引き起こす

・ヒト生息微生物群は新たな抗生物質の探索源として期待できる

ヒトの腸内細菌叢は毎日食べる食事の内容によって日単位で変動する

ヒトの腸内細菌叢は毎日食べる食事の内容によって日単位で変動する

→腸内細菌叢というのはいろんな腸内細菌の集まりだと思ってください。

「ヒトの腸内細菌叢は食べる食品の内容によってある程度変化するということは漠然とこれまでにも信じられてきた。

また動物実験などでもこのような実験は比較的多く示されてきた。

しかし、私たちは毎日食べる食品によって短期間にどのぐらい鋭敏に腸内細菌叢が変化するのか、あるいは変化しないのかという疑問についてはこれまでしっかりとしたデータが存在していなかった。

このような疑問についてヒトの食事実験において明確な回答を出した論文は2014年に発表された[10]。

この研究の研究者たちは、

6人の男性と4人の女性から成る米国人(年齢は22歳から33歳)のボランティアに完全に動物性食品(肉、卵、チーズ)あるいは植物性食品(穀物、豆類、果物および野菜)だけからなる食事を4日間食べ続けてもらい、

その前後の16Sメタゲノム解析による腸内細菌叢、メタゲノム解析による発現RNA、および種々の化学的成分を測定した。

その結果、ヒトの腸内細菌叢は食事内容の影響を速やかに日単位で受けることが明らかとなった。

動物性の食事では、Bacteroidesなどの胆汁耐性の細菌が増加し、植物性多糖類を代謝する細菌群が減少した。

動物性の食事の場合には、食事中の脂肪、胆汁酸と炎症性腸疾患の引き金となる微生物の上昇が認められた。

腸の中で発現している腸内細菌叢による機能性遺伝子の解析によれば、微生物活性は、草食性哺乳類と肉食性哺乳類の違いを鋭敏に反映しており、炭水化物とタンパク質の発酵代謝のスイッチが切り替わっていることが示されている。

このように予想以上の短期間(日単位)での腸内細菌叢やその代謝活動が切り替わるという事実は、私たち人類の進化と密接に関わっているのかもしれない。

すなわち、私たちの長い進化の過程で、動物性食品は必ずしも安定的に手に入るものではなく、季節の変動などにより不安定な食事だ。

一方、植物性食品は比較的安定的に手に入れられる。

したがって、私たち人類の祖先はこのような食事の切り替えをいやがおうにも行う必要に迫られて進化していると考えることができる。

このような切り替えは現在のヒトの腸内における細菌叢の柔軟な変換の能力につながっているのではないか。

また、この研究では、驚くべきことに、細菌、真菌、そしてウイルスをも含む食品由来の微生物がそのまま腸内の微生物として検出される事例が多く認められている

このように、私たちの腸の中の細菌叢は私たちが食べる食品とともにやってくる微生物によって私たちがこれまで想像していた以上に短期間で大きな影響を受けていることを示している。

 今後、食品会社や食品微生物学分野の研究者たちはこのような事実を念頭に入れて食品の微生物との関係について取り組んでいくと、また別の世界が見えてくるかもしれない。」

→4日間の食事だけで腸内細菌の種類が変化しています。(日単位で変わってしまう)

食品由来の微生物が私たちの腸内に大きな影響を与えていることがわかりました。

毎日の食事がいかに大事かが分かります。

1日だけだからと言って、お菓子とジュースだけ食べるなんてことしていると、せっかく育てた腸内細菌が全滅するなんてこともあるかもしれません。

動物性の食事をとると炎症に起因するとされる微生物が増えているようです。

食品乳化剤が腸の粘膜を破壊し腸の炎症やメタボリックシンドロームを引き起こす

ヒトの腸内における腸内細菌の役割について、食品科学分野において看過できない警告を発する論文が2015年に発表された[11]。

その論文の内容は、アイスクリームや多くの食品に含まれている乳化剤が腸粘膜細胞を守っている粘膜層を破壊し、その結果として大腸炎やメタボリックシンドロームを引き起こす可能性を指摘している。

この論文では、乳化剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とポリソルベート80(P80)を添加した水を12週間にわたって飲ませたマウスで実験を行っている。

その結果

これらの乳化剤を与えたマウスでは、粘膜細胞の免疫層が破壊され、腸内細菌が粘膜細胞に迫っていることが示された。

また実験では、このように乳化剤によって破壊された粘膜細胞を持つマウスでは腸炎の発症が早まることも示している

さらに、乳化剤を与えたマウスではメタボリックシンドロームの状態になりやすく、その結果、体重の増加も乳化剤を与えていないマウスに比べて増加することを示している。

一方で、腸内細菌が全く存在していないのにマウスではこのような粘膜細胞の基礎破壊は起きないことから、このような粘膜細胞の免疫層の破壊には腸内細菌自体が関与していることも示している。

実験全体は高い精度で多角度から実施されており、乳化剤を添加した食品の摂取により、ヒトの腸の炎症やメタボリックシンドロームを引き起こしている可能性を強く示唆する研究成果となっている。

この研究成果は、食品、微生物、人体の3者の関わりが、ヒトの腸の中で三位一体となって起きていることを示す極めて貴重な研究成果であると考えられる。

今後はこのように外から摂取する食品成分と腸内の細菌叢がヒトの生理代謝に及ぼす影響についての研究は加速するであろう。

一方で、食品科学の観点から見ると、この論文は、20世紀後半以降にクローン病、潰瘍性大腸炎といった腸の炎症疾患やメタボリックシンドロームなどが増加している理由の1つとして、食品に添加されている乳化剤の可能性が高いことを警告している点で重要である。

乳化剤によって腸粘膜細胞を守っている粘膜層を破壊し、その結果として大腸炎やメタボリックシンドロームを引き起こす可能性が示されています。

ヒト生息微生物群は新たな抗生物質の探索源として期待できる

「抗生物質耐性菌の出現は深刻な問題である。特に多剤耐性菌の出現により、私たち人類は現在、新たな抗生物質の探索に躍起になっている。

しかし残念ながら、主な抗生物質はすでに開発しつくされた感があり、現存する抗生物質の部分的な構造改変などマイナーチェンジを中心に行われている。

そこでこれまでとは根本的に異なる抗生物質の探索が可能ならば未来が開ける。

しかしこれについても、新たな抗生物質の探索源として、土壌や海洋などの環境もすでに広範な探索が行われており、新たな抗生物質が見つかる可能性はあまり高くない。

 このような状況のなか、昨年(2016年)、この分野において大きな成果が報告された[12]。

黄色ブドウ球菌に対する新たな抗生物質をヒトの皮膚の表面に生息するブドウ球菌(Staphylococcus lugdunensis)が産生することが見つかったのだ

この抗生物質はLugduninと命名された。

Lugduninは、黄色ブドウ球菌に対して増殖阻害や殺菌力を持っている環状ペプタイドの新しい抗生物質である。

Lugduninは黄色ブドウ球菌以外にも、エンテロコッカス、リステリア、バチルスなど幅広いグラム陽性菌に対して抗菌活性を示す。

この論文を報告した研究者達は、Lugduninを産生するStaphylococcus lugdunensisとStaphylococcus aureusをマウスの鼻腔内に接種し両者の挙動を観察した。

その結果、Staphylococcus lugdunensisが存在していた場合にはStaphylococcus aureusは排除されることがわかった。

したがって、Staphylococcus lugdunensisは抗生物質であるLugduninを産生することによりヒトの鼻腔内や皮膚の表面において効率的に黄色ブドウ球菌を排除している可能性が高いと推察している。

実際、187人のヒトの鼻腔内におけるStaphylococcus lugdunensisとStaphylococcus aureusの存在する割合を調べた結果、鼻腔内においてStaphylococcus lugdunensisが存在していない場合でStaphylococcus aureusが検出される割合は34.7%であったのに対し、Staphylococcus lugdunensisが存在している場合では、わずか5.9%であった。

 以上の研究成果がもたらすインパクトはとても大きい。

単に新しい黄色ブドウ球菌に対する抗生物質が見つかったというだけではない。今後新しい抗生物質を見つけるための探索源として、ヒトの表皮に生息する微生物が有力な候補となる可能性を示している。

これまでも、ヒトの表皮や鼻腔や口腔内に常在する微生物が外から侵入する有害菌を排除している可能性については、漠然と多く語られてきた。

しかし実際にサイエンスとしてしっかりとしたデータを示した例はほとんどない。

その意味でこの研究の成果はとても大きなインパクトを持っている。

今後の病原菌に対しての抗生物質の探索源として人の表皮や腸内細菌が貴重なソースとして注目されていくだろう。」

→人の皮膚から抗菌できる抗生物質が見つかったようです。

まとめ

人と細菌は共生関係であることが多いです。

なのでむやみやたらと、抗菌剤を使ったり抗生物質を使ったりというのは危険です。

バランスが崩れてしまうので。

ニキビの原因となるアクネ菌も増えすぎなければ、有害な皮膚の菌を殺してくれます。

しかし増えすぎると厄介。

そのバランスを保つためにも、日々の食事やストレス発散が重要になってくるんですね。

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nisikori
27歳 男
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